2025-04-13
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新世代ベースレイヤーで命を守る

13(トザン)日は【AJ MALLの日】特集|安全登山のための道具術

伊藤 俊明 
ライター・編集者

本好きが高じて企画・編集会社に勤務し、アウトドアをはじめとす る趣味の雑誌編集に関わったのちに独立。思う存分スキーを楽しむ ために夏に頑張るアリンコ系ライター・編集者。インタビューや道 具の紹介、解説記事が得意分野。

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 2021年に登場したザ・ノース・フェイスのエクスペディションドライドットは、それまでの吸汗速乾素材のベースレイヤーから一段階進化した、新世代のベースレイヤーです。それがどんな製品かを理解するために、まずは登山におけるレイヤリングの基本とベースレイヤー役割をおさらいしておきましょう。

 天気が急変してもすぐに安全地帯に逃げ込めない山では、ウェアが文字通り身を守る最後の砦となります。ただし、山では必要なものはすべて自分で背負わなくてはいけないため、なんでもかんでも持ち歩くという訳にはいきません。

 山で求められるのは、暑すぎず寒すぎず、持ち運びも苦にならない適切な量のウェアです。それを効率よく選択するために考えられたのが、最小限のウェアを最大限に活用する山の服装術。必要とされる機能によってウェアを大きく3つの層(レイヤー)に分けて、重ね着することで保温性をコントロールします。これが登山におけるレイアリングです。

 3つの層は、直接肌の上に着るベースレイヤーと中間着のミドルレイヤー、もっとも外側がアウターレイヤーです。ベースレイヤーの役割は汗を吸い、生地間に拡散・蒸発させて肌をできるだけ乾いた状態に保つこと。ミドルレイヤーは保温性を調節します。アウターレイヤーは防水性と透湿(通気)性を兼ね備え、雨や風を防ぎながら、ウェア内のムレを逃して結露を抑えます。

 登山のレイヤリングは、長年かけて構築されてきた方法です。各レイヤーの役割は大きくは変わりませんが、年月を経て素材や製法が進化したことで機能は洗練されて、快適性は向上しています。

 製品が進化することで「常識」も「定番」も少しずつ更新されていますが、なかでも注目すべきはベースレイヤーです。吸汗速乾性に優れる定番は変わらずあり続ける一方で、より汗をかくシーンや汗冷えを避けたい場面では、吸汗速乾性の高い1枚のウェアでまかなっていた機能をふたつに分けて、2枚のウェアを重ね着するのが常道になりました。素肌に撥水性(もしくは疎水性)をもつ1枚目のウェアを着て、その上に吸水速乾性の高い2枚目のウェアを重ねるという手法です。

 この2枚を着て汗をかくと、汗は1枚目のウェアを通り抜け、2枚目のウェアに吸われます。2枚目のウェアは、吸った汗が生地間に広がって蒸発するまでは濡れていますが、下に着ている1枚目のウェアはその撥水性(や疎水性)によって水分を寄せ付けないため、濡れを感じさせません。

 今回紹介するエクスペディションドライドットは、こうして2枚に分けてまかなっていた機能を1枚に集約したウェアです。撥水+吸水速乾により、これまで以上のドライな感覚を実現しました。

素材と製法の進化が生み出したベースレイヤーの新定番

ザ・ノース・フェイスのサミットシリーズとスノー製品の商品開発を担当する小澤由紀子さん。夏は登山、冬はスキーで一年中山に遊び、自ら製品テストを行なうことも日常。現場の感覚をつねに開発に生かしている。

 じつは、役割が違う2枚のベースレイヤーを重ねる手法は日本独特のもので、これがエクスペディションドライドットの開発に繋がったのだそうです。ザ・ノース・フェイスで商品開発を担当し、エクスペディションドライドットの開発にも関わった小澤由紀子さんに話を聞きました。

「本国の商品開発会議で日本のベースレイヤー事情を紹介したところ、撥水面と吸水拡散面を組み合わせた厚手の一枚モノを作ってはどうかという話になり、エクスペディションドライドットの開発がスタートしました。試行錯誤の末に完成したのが、肌側に撥水糸の生地、外側に吸水糸の生地という2枚の生地を一体化させるダブルニットです。二重構造にすることで、これまで以上にドライな肌触りや保温性を実現できました」

ダブルニットの概念図。2枚の生地の間に空気の層ができるのがポイント。隙間があるために外側生地の濡れ感が伝わりにくくドライな感覚が強まるほか、保温性にも優れる。

 二重構造のニットは、外側の生地から伸びる吸水性をもつ糸で繋がっています。かいた汗はここから外側へと吸い上げられて拡散・蒸発します。一枚の生地で肌側に撥水糸、外側に吸水糸がくるよう二重織りした製品もありますが、それらの製品は肌面をグリッド状にして点で肌と接触するものが多いのに対し、エクスペディションドライドットは面で当たるので、ドライな感じもより強くなっています。また、二重のニットはその間に空気の層をつくるため、保温性にも優れています。

2枚のニットは吸水性をもつ糸で繋がっていて、汗の水分はこの糸によって外側へと吸い出される。

「暑い時期には薄手のものを着たくなりますが、生地が薄いと吸い込める汗の量も少なくなります。薄手なぶん乾きが早いという利点はありますが、限界まで汗を吸ってしまうと乾くまでは濡れた感じが続きます。これに対してエクスペディションドライドットは二重構造で濡れた面と乾いた面が離れているので、たくさんの汗を吸ったときもドライな感じが続いて、最終的にはこちらの方が快適ということもよくあります。ふたつの機能を1枚でまかなえるのが特徴ではありますが、とくに汗かきという人は、いわゆる0.5レイヤーと呼ばれるようなウェアを下に着ることでさらに快適になります」

店頭に置いてあるテストキット。スポイトで落とした水滴は瞬時に生地に吸い込まれ、あっというまに乾いてゆく。

 登場から4年、エクスペディションドライドットは、高所登山に挑むアルパインクライマーをはじめとして、アルプス登山やバックカントリースキー/スノーボードの現場ではすでに定番になりつつあります。ウェアをもっと快適にしたいと考えていて、まだこれを試していないなら、次の候補はもう決まりです。

◼︎ザ・ノース・フェイスのエクスペディションドライドット・シリーズ

トップスはユニセックス。クルーネックのほかにフーディーとジップネックがある。ややタイトなフィット感で、適度な伸縮性と立体裁断によって体の動きに追従。胸ポケットにはスマートフォンを収納可。袖口にサムホールを備える。

エクスペディションショートスリーブドライドットクルー

ユニセックス品番:NT12524

重量:約115 g(Lサイズ)

エクスペディションドライドットクルー

ユニセックス品番:NT12123

重量:約155g(Lサイズ)

エクスペディションドライドットジップハイ

ユニセックス品番:NT12522

重量:約175 g(Lサイズ)

エクスペディションドライドットボクサーショーツ

メンズ品番:NU12521

重量:約60g(Lサイズ)

エクスペディションドライドットタイツ

メンズ品番:NB32121

重量:130g(Lサイズ)

(文=伊藤俊明 写真=岡野朋之、ゴールドウイン)

↓より安全で快適な登山を。掲載した「ザ・ノース・フェイス/エクスペディションドライドット」の詳細はこちら

ザ・ノース・フェイス/エクスペディションドライドット

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