2025-03-13
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タフな状況下でも安心できるバックパックとは?

13(トザン)日は【AJ MALLの日】特集|安全登山のための道具術

伊藤 俊明 
ライター・編集者

本好きが高じて企画・編集会社に勤務し、アウトドアをはじめとす る趣味の雑誌編集に関わったのちに独立。思う存分スキーを楽しむ ために夏に頑張るアリンコ系ライター・編集者。インタビューや道 具の紹介、解説記事が得意分野。

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 ヨーロッパには長い歴史をもつブランドが少なくありませんが、今回紹介するドイターもそのひとつです。創業は1898年。120年以上に渡って続くドイツの名門バックパックブランドです。

 デュラセントは2023年に登場しました。ロールトップのシンプルな軽量パックはドイターのラインナップにあっては異色に映りますが、日本で同社の製品を取り扱うイワタニ・プリムスの金牧秀明さんは、バックパックの本質的な部分は変わらないのだと教えてくれました。

 デュラセントとはどんなモデルか、その他のモデルとは何がちがい、どこが変わらないのか。それを理解するためにも、ドイターのものづくりから紐解いていきましょう。

 ドイターのバックパックには、大きくふたつの特徴があります。

 ひとつは、バックパックを背負ったときにも背中の通気を止めない背面構造です。無雪期をターゲットにしたモデルでは今や珍しくありませんが、じつは最初にこれをつくったのはドイターでした。1984年に登場したエアコンフォートシステムがそのはじまりです。ドイターはこれで特許を取得したため、その権利が切れるまでは、この仕組みは文字どおりの専売特許でした。

バックパック本体と背中の間の空間を大きくすれば通気性は高まるが、そのぶん荷物の重心が体から離れるので背負い心地は悪くなる。ドイターのバックパックは、快適さと背負いやすさのバランスが絶妙だ。

「登山は老若男女が楽しめるアクティビティですが、だれもが装備を背負って歩くことに慣れているわけではありません。運動量が多くなるとたくさん汗をかきますが、バックパックで背中がふさがっていると、クールダウンできずに暑さでバテてしまいます。それを避けるために、背中に空間を設けて涼しくしましょうという考えから生まれたのがエアコンフォートです」

 あえて付け加えるまでもありませんが、背中が涼しいモデルは初心者だけでなくベテランにもありがたいものです。今では多くのブランドが同様の背面構造を採用していることが、ドイターの先見性の証になっています。

 もうひとつの特徴が、フレームやウエストベルト(ドイターでは「ヒップフィン」と呼称)による荷重配分です。とくに大型モデルになると重厚なつくりで、ドイターといえば質実剛健というイメージにも繋がっています。

「めざしているのは、背負ったときの快適性です。単純にスペック上の軽さを追い求めるのではなく、人が実際に背負ったときの感じ方も大事にして製品を開発しています。本国の開発担当者は、こんなふうに話してくれました」

“たとえば、スーパーのレジ袋に2ℓのペットボトルを4本入れて持つと、手や指にピンポイントで荷重がかかって痛いよね。でも、それがキャンバスでできたトートバッグなら荷重が分散されて楽に持ち運べる。バックパックも同じように考えて設計していて、本体が多少重くなったとしても肩から腰へと荷重を分散させることで、快適に背負えるようにしているんだよ”

「背負ったときに快適であること、楽であることがユーザーの負担を軽減し、結果的に体力を温存しながら荷物を持ち運べるというのがドイターの考え方です」

イワタニ・プリムス株式会社で広報を担当する金牧秀明さん。バックカントリースキーをきっかけに雪がない季節も山を登るようになり、四季を通して山を楽しむ。最近は、自分のパンツやシャツまで作るほどミシンの沼にハマっている。

軽量・シンプル・頑丈でマルチユースに対応

 ドイターのバックパックに見られるこれらふたつの特徴は、使用目的や容量によっても変わります。

「背中に空間を設けると、背負う荷物の重心が体から離れることになるので、バックパックとの一体感は得づらくなります。バックパックが大きくなって荷物が重たくなるほどそれは顕著になるので、大型モデルになるほど背中の開き具合は小さくなります。また、動きが激しくなるスキー/スノーボード用のモデルでは、本体の厚みを抑えてより一体感を高める設計にしています。雪山で背負うものなので、通気性は不要という考え方です」

 デュラセントも、これと同じ考え方でデザインされています。モデル名は、英語の頑丈(Durable)と登高(Ascent)を合わせた造語で、アルパインクライミングやロングトレイルハイキングなど、軽さを生かしたアクティビティを想定しています。  

デュラセントが想定しているのは、アルパインクライミングやロングトレイルのような、軽さがアドバンテージとなるアクティビティ。

「軽量性を重視してはいますが、いわゆるULパックのようにとにかく軽くするという方向ではなく、丈夫な生地を使って本体にハリを持たせることで剛性を確保し、背負いやすくしようという考え方で、根底にある哲学はほかのモデルとなんら変わりありません。金属フレームが入っていないぶんパッキングには気を使いますが、重たいものは背中に近くの高い位置にというセオリーを守れば問題ありません。名前のとおり耐久性も高いので特別気をつけて扱う必要もなく、そういう意味では経験値を問わずにだれもが使いやすいモデルだと思います」

 ロールトップの防水モデルで耐候性が高く、雪山での使用も想定して本体には雪が付きにくい素材を使っています。通年使える仕様なので、季節やアクティビティが変わってもひとつのモデルで対応したいという人にとっては検討の価値があるバックパックです。

フロント上部にはファスナー付きのポケット。ピッケルホルダーとヘルメットホルダー(別売り)等のアクセサリーを装着できるループは備えるが、ボトルポケット等は付かないシンプルなデザイン。ロールトップで縫製箇所はシームテープでカバー。防水性は相当高いが、完全防水ではない。背面パッドは取り外し可能で、ヒップフィンもハーネス装着時などの使わないときはヒップパッドの内側に収納できる。

背面もいたってシンプル。背面の通気性よりもバックパックとの一体感を重視。雪山で使うことも想定し、雪が付きにくい素材を使用している。

◼︎軽さとシンプルさにフォーカスしたドイターの防水アルパインパック

(文=伊藤俊明 写真=岡野朋之、イワタニ・プリムス)

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