訓練の概要と、ココヘリを活用した捜索・救助の連携内容を紹介します。

山間部での遭難事故に迅速かつ的確に対応するため、山梨県警察との合同山岳救助訓練を実施しました。
今回の訓練では、道迷いによって通信が困難となった登山者の捜索を想定し、地図読図による遭難位置の推定や発信機を活用した捜索手法、関係機関との連携について実践形式で確認しました。

訓練は座学と実地訓練の2部構成で実施されました。午前中は地図読図や発信機の仕組みについて学び、午後は実際の山域で捜索から救助までの一連の流れを確認しました。
訓練ではまず、登山者が道に迷いやすいポイントを地図上で確認しました。尾根の分岐、広くなった尾根、沢を横断する地点、獣道や踏み跡への分岐などは、進行方向を誤りやすい代表的な場所です。地形図を確認しながら「どこで道を外れる可能性が高いか」「迷い込んだ場合、どちらへ進む可能性があるか」を班ごとに検討。限られた人員で効率的に捜索するため、捜索範囲の優先順位を整理しました。
より効果的に活用していただくため、まずは座学を通じてココヘリの機器の仕組みについて学んでいただきました。発信機から発せられる電波がどのように受信されるのか、その特性や捜索時の考え方を理解することで、実際の現場でどのように電波を捉えるかをイメージできるようになっていただきました。


座学の後は、実際に発信機を隠し、受信機を使って探索する訓練を実施しました。発信機は肉眼では発見しにくい場所に設置され、隊員の皆さまは受信機の反応を確認しながら捜索を進めました。実際に操作してみると、障害物による電波の減衰や、地形・樹木による反射の影響によって距離表示や反応が変化する場面もありました。座学で学んだ内容をもとに、電波の特性を体感しながら、受信機の持ち方や進行方向の判断方法を確認していました。
山中では、声が反響して遭難者の位置が分かりにくくなることがあります。また、負傷などにより遭難者が声を出せないケースも想定されます。こうした状況において、発信機を活用した電波捜索は、遭難者の位置を特定するための有効な手段の一つとなります。

次に、山域へ入ってより実践的な訓練を行いました。まずは、ココヘリの捜索隊がドローンを使って発信機の電波を捉え、位置を特定する様子をご覧いただきました。特定した位置情報(座標)を山梨県警察へ提供したという設定で、実際の森林内での捜索訓練へとつなげました。
遭難者に見立てて山中へ設置した発信機を目標に、受信機を使用した捜索訓練を実施しました。ドローンが取得した座標情報と受信機の反応を頼りに進み、森林内で発信機を発見するまでの一連の流れを体験していただきました。


受信機の反応を確認しながら対象地点へ接近し、発見後はロープを使用した要救助者の引き上げ訓練まで実施されました。 訓練終了後には参加した隊員の皆さまから、次のような声をいただきました。
「目視では発見が難しい場所でも、電波を手掛かりに位置を絞り込めることを実感できた」「実際に操作することで、電波の反射や障害物の影響を体感することができた」「ドローンによる位置情報取得から地上隊による捜索まで、一連の流れを実践的に学ぶことができた」
今回の訓練を通じて、山岳救助における連携の重要性を改めて確認することができました。ココヘリでは、今後も救助機関との連携を深めるとともに、より迅速で確実な救助活動に貢献できるよう取り組んでまいります。