2024-06-13
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雨の季節も快適に

13(トザン)日は【AJ MALLの日】特集|安全登山のための道具術

宮川 哲
編集者

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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 山登りを始めるときに、いちばん最初に必要なアイテムといえば? まず思い浮かぶのは、登山靴にバックパック、そしてレインウェアではないでしょうか。靴がなければ山は歩けないし、入れ物がなければ荷物は運べません。でも、雨が降らなければ、レインウェアは要らないのでは、なんて考えないでくださいね。山で雨が降らないことはありません。いえ、もちろん降らないこともあるでしょう。ただ、山に入る心構えとして、雨への準備はつねに100%であるべきと思っていてください。なぜなら……今回はレンウェアについて、その役割を考えつつ、ココヘリが注目するふたつのモデルを取り上げます。

山の斜面は雲の生まれる場所

 水分を含んだ空気が山にぶつかると、その斜面に沿ってどんどん上昇していきます。そして上昇気流によって次から次へと空気の塊が送り込まれ、やがて山の上には雲が生まれます。また、山は稜線と谷が複雑に込み入った地形だけに、風や空気も複雑に動きます。こんな状況で雲ができれば、いつ雨になってもおかしくはありません。もちろん、いろいろな気圧配置や天候状況によって雨にはならない場合もありますが、油断は禁物。

 たとえば、TVで天気予報を見て晴れマークが並んでいたとしても、山ではまったくちがった天気になっていることはよくあることです。それは、気象庁の発表は「平地」での予報がベースになっているから。やはり、相応の知識を持って自分で高層天気図などを確認するか、山専門の気象情報をチェックしなければ、山の天気を正しく知ることはできません。

 であれば、備えあれば憂いなし。山ではいつでも雨は降るものとして、レインウェアは装備に必ず入れておくべきです。それは日帰り登山でも。さらに、重要なポイントがもうひとつ。レインウェアは雨対策だけに使うものでもないからです。

風除けと寒さ対策

 レインウェアが持つ役割は、大きく分けると3つあります。ひとつは防水機能。そして透湿機能。さらに加えるならば、防風機能です。この3つの機能は、いわゆる寒さ対策として役立つことにつながります。これは無雪期のあたたかい季節の話ですが、ベースレイヤーの上にレインウェアを一枚重ね着しておくだけでも、人間の体温調節においては意味があります。かつてのトムラウシでの事故のことを思い出してください。真夏でも低体温症に陥ってしまうことはよくある話なのです。行動中は当然、汗もかきます。吹く風の強さや標高によっては、寒さを感じたりすることもあるでしょう。そんなときにもし身体を濡らしたままでいれば、体温は思いのほか、あっという間に奪われていってしまいます。それが自分でも気が付かないうちに、行動不能に陥ってしまう=低体温症の遠因になるかもしれません。

 なので、身体はつねにドライに保つ。これが理想なのですが、つねにドライでいることはそう簡単なことではありません。そういった意味でも、レインウェアが持つ役割として、この濡れと湿気をできるだけ体の外へと送り出す機能が重要なのです。ただし、これはレンウェアを着ているだけでは実現できません。ベースに何を着ているかもポイントとなり、そのレイヤードの組み合わせによって身体をドライにする状況をつくり出す必要があります。ウェアの組み合わせ。これは、立派な登山の技術のひとつです。

ミニコラム:真夏でも低体温症に陥ってしまう

防水透湿という機能

 では、レインウェアの透湿性機能とはどんなものなのでしょうか。ゴアテックスをはじめとして、現在は各メーカーやブランドでもさまざまな透湿性素材を発表していますが、そのベースとなる仕組み、考え方はほぼ同じです。

 水は通さずに水分は通す。これをもう少し詳しく言えば、水滴ほどのサイズの穴よりも小さく、水蒸気の分子よりも大きい穴が布地に空いていると考えればいいでしょう。かなり大雑把な表現ではありますが、分子レベルの微細な穴を持つ素材が、レインウェアに貼り合わされるなどしています。よくメンブレンといわれる薄い膜の形状をしていて、これが防水透湿性の肝となっています。もしもこの機能を持たないウェアだったりすれば、つまり、完全防水のみのウェアだとすれば、外からの雨は防ぐものの、内側で発生した水分を外に出すことはできなくなってしまいます。そうなると、ウェアの中はサウナ状態となり、ウェアの内側はビチョビチョに。これでは、あっという間に低体温につながっていくことでしょう。先にも書きましたが、登山中の基本は、いかにして身体をドライに保っておけるかがポイントです。それゆえに、数多くの防水透湿性機能を持ったウェアが開発されているわけですね。

 登山用のレインウェアの基本性能は防水透湿性。さらには防風。水滴を通さないほどの微細な穴なので、もちろん風も防いでくれます。そこに、気心地だったり、携帯性だったり、デザインといったさまざまな付加価値が備わって、われわれユーザーの判断を悩ませているのです。というよりは、より安全で快適なウェアを生み出してくれていると言ったほうがいいですね。

 写真のように、頭にフィットしやすいフードの形状のほか、襟元のジッパーが直接肌に触れないようにするガレージ機能に、袖口からの水の侵入を防ぐベルクロ、ポケットから衣服内の蒸れを逃すポケット・ベンチレーション、そして収納性にこだわってみたりと本当に細かな工夫がなされています。

 今回はこれらの機能を併せ持った注目のふたつの商品を紹介したいと思います。どちらもココヘリのAJ MALLで購入できます。ザ・ノース・フェイスのクライムライトジャケットとミレーのティフォン50000です。

ザ・ノース・フェイス/クライムライトジャケット

 ザ・ノース・フェイス定番の防水シェルといわれるレインウェアで、ゴアテックスの3層素材を使っています。中心となるゴアテックス・メンブレンの表地と裏地にそれぞれ別の布地を貼り合わせ、表地はリサイクルナイロン、裏地はマイクログリッドパッカーといわれるナイロン素材となっています。このマイクログリッドパッカーは引っ掛かりの少ない滑らかさが特徴となっており、かつ湿気を含みにくいので、行動中でもノンストレス。また、フード形状にこだわり、ヘルメット着用時のカバー率を高めたり、バックパックを背負ったときのヒップハーネスとの干渉に影響が少ないデザインにするなど、細かなところまで手が入っています。まさに、山での実際の行動をベースに考えられたウェアで、その機能性はレインウェアとしてよりも、アルパインシェルといってもいいくらいです。無雪期であれば、大いに活躍してくれる便利な一着です。

レインウェアは、現在では上下セパレートのタイプのものが多くなっています。レインウェアのパンツにもさまざまな工夫があります。このクライムライトもパンツは別売り。上下とも、以下に詳細なスペックを紹介しておきます。

ザ・ノース・フェイス/クライムライトジャケット(メンズ/NP12301)

素材:20デニール Recycled Nylon GORE-TEX Micro Grid Backer(3層)(表側:ナイロン100%、中間層:ePTFE、裏側:ナイロン100%)

重さ:315g(Lサイズ)

特徴・仕様:軽量裏地マイクログリッドバッカー/フロント止水ファスナー/ワンハンドアジャスター対応フーデット/フラップ付きスランティングポケット/裾ドローコード仕様/パックを背負ったままでも腕上げしやすい設計

ザ・ノース・フェイス/クライムライトジップパンツ(メンズ/NP12210)

素材:20デニール Recycled Nylon GORE-TEX Micro Grid Backer(3層)(表側:ナイロン100%、中間層:ePTFE、裏側:ナイロン100%)

重量:245g(Lサイズ)

特徴・仕様:テーパードシルエット/裾ファスナー仕様/フロント前開き仕様/ウエストスピンドル仕様

ザ・ノース・フェイス/クライムライトジャケット(ウィメンズ/NPW12301)

素材:20デニール Recycled Nylon GORE-TEX Micro Grid Backer(3層)(表側:ナイロン100%、中間層:ePTFE、裏側:ナイロン100%)

重量:約280g(Lサイズ)

特徴・仕様:軽量裏地マイクログリッドバッカー/フロント止水ファスナー/ワンハンドアジャスター対応フーデット/フラップ付きスランティングポケット/裾ドローコード仕様/パックを背負ったままでも腕上げしやすい設計

ミニコラム:パンツにもさまざまな工夫

ミレー/ティフォン50000ストレッチ ジャケット

 ミレーが独自に開発した「ティフォン」の防水メンブレンは、なんと7マイクロメートルの極薄素材。3層構造のティフォンは、表地に伸縮性のある素材を使って、ストレッチ性を確保しています。この防水メンブレンを中面に、肌触りのいいニットの裏地を貼ることで着心地を向上させています。耐水圧は20,000mmで、50,000g/㎡/24hという高い透湿性は、登山での濡れと蒸れに対する心強い味方です。外側からの濡れも、内側からの蒸れもしっかりと防いでくれる高透湿の防水ジャケットは、適度なストレッチ性も備えており、つねに自然な着心地を楽しめます。

ミレー/ティフォン50000ストレッチジャケット(メンズ/MIV01479)

素材:DRYEDGE TYPHON 50000 3L KNITTED BACK ナイロン100%

重量:304g

特徴・仕様:エルゴノミックフィット/STORM & FITシステムを採用したフード/ベンチレーションを兼ねたジップポケット/ポケット内側がメッシュ/フード内側へのクイック&イージー収納システム/袖ベルクロアジャスター/両開きフロントジップ/調整可能な裾

ミレー/ティフォン50000ストレッチパンツ(メンズ/MIV01480)

素材:DRYEDGE TYPHON 50000 3L KNITTED BACK ナイロン100%

重量:228g

特徴・仕様:ハンドジップポケット/長めのサイドオープニングジップ/調整可能な裾/コンパクトに収納可能なポケッタブル仕様

ミレー/LDティフォン50000ストレッチ ジャケット(ウィメンズ/MIV01508)

素材:DRYEDGE TYPHON 50000 3L KNITTED BACK ナイロン100%

重量:262g

特徴・仕様:エルゴノミックフィット/STORM & FITシステムを採用したフード/ベンチレーションを兼ねたジップポケット/ポケット内側がメッシュ/フード内側へのクイック&イージー収納システム/袖ベルクロアジャスター/両開きフロントジップ/調整可能な裾

ミニコラム:適度なストレッチ性

(文=宮川 哲 写真=岡野朋之)

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