真夏でも低体温症に陥ってしまう

2024-06-13

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 低体温症は寒いときにだけ起こりそうなリスクだと考えてはいませんか? じつは、この低体温症はどんな季節でも起こり得るとても怖い現象です。その要因は、やはり濡れです。そして、濡れたところに風が吹き付ける。濡れと風。このふたつの事柄をつねに頭に入れておいてほしいと思います。2009年のトムラウシでの悲惨な事故は記憶に残っているかと思いますが、あのときの気温はマイナスではありませんでした。プラス6度くらいはあったようですが、雨と風、暴風雨のなかで行動をしてしまった。その結果、パーティーがバラバラになってしまい、事故へとつながっています。身体を濡らしてしまったところに強い風に吹かれ続けると、たとえプラスの気温でも低体温症になってしまいます。そこにはやはり、リスクがあると思っていてください。水は空気のおよそ25倍で伝導してしまうので、身体を濡らしてしまうと熱がどんどんと奪われていきます。だから濡らさない工夫をしないといけません。登山でウェアのレイヤリングが大切なのは、この点につきます。もちろん、装備もしかりですが、知識もしかりです。