パンツにもさまざまな工夫

2024-06-13

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 レインウェアのパンツは、いわゆるズボンやGパンといったふつうのパンツとは大きく異なる構造をしています。これも、登山という特殊な環境下でいかにして快適さを保つかを考慮して生まれたかたちです。 山での雨はいつなんどき降ってくるかわかりません。それに備えるためには、行動中でもパパッと装備できるのが理想です。でも、一般のパンツでは靴を履いたままでは、着込むことはできませんよね。登山靴はしっかりと紐を結んで履くために、そう簡単に脱ぎ履きできるものでもなく、かつ山ではパンツの脱ぎ着にはスピードが求められる……この相反する行為を結びつけたのが足元から膝まで大きく開くようになっているファスナーの存在でした。もはやレインパンツといえばこのかたちであるのは常識となっていますが、むかしのひとはよく考えたものです。このかたちであれば、登山靴を脱ぐことなく、その場でのパンツの脱ぎ着が可能となります。バックパックを下ろして岩に腰掛け、パパッと装備する。このスピードも、登山の大切な技術のひとつと心掛けましょう。 写真はザ・ノース・フェイスのクライムライトパンツ。ゆとりのある臀部と腿部分からテーパード状に仕上げた膝下パターンのデザインで、もたつきが少なく、脚上げも快適です。