偉大な登攀に贈られる金のピッケル賞

2024-02-13

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 ピオレドールのホームページ(https://www.pioletsdor.net/)によると、賞の目的は「その年の偉大な登攀に対する世界中の意識を高めること」にあります。偉大な登攀とは、パフォーマンスに加えて、山に対する情熱や精神や価値観からなる独自のスタイルを実現していること。一方で、コマーシャリズムのための登攀は明確に否定しています。「あらゆる経済的および技術的手段(酸素、固定ロープ、ドーピング製品など)や大規模な人的資源(高所ポーターやシェルパ)を駆使して、どんな犠牲を払ってでも頂上に到達することではありません」。登攀の独創性や探求の精神に重きを置く賞は、「登山のアカデミー賞」とも呼ばれています。過去には日本人登山家もこの賞を受賞してきました。ココヘリ安全登山学校の甲信越校で校長を務める天野和明氏もそのひとりです。2008年に行ったインドヒマラヤ・ナンダデビ山群カランカ北壁(6931m)のアルパインスタイルによる初登が評価され、佐藤裕介氏、一村文隆氏とともに日本人初の同賞受賞となりました。なお、同年にはインド・カメット峰 (7756m)南東壁ルートを初登攀した谷口けい氏と平出和也氏も受賞しており、5人の日本人が初受賞するという快挙の年となりました。日本人のこれまでの受賞者は以下のとおりです(2024年1月現在、敬称略)。