山の斜面が上昇気流をつくり、上昇気流が雲をつくる

2023-06-13

まで

街から山に向かうと平坦な道が徐々に坂道に変わり、斜度を増していきます。単純にいうと山は、「周囲よりも地面が盛り上がっている場所」です。平地を吹く風が山にぶつかると、斜面に沿って上方へと駆け上がります。こうして生まれるのが上昇気流です。風はさまざまな要因で吹きますが、山の天気を左右しやすいものに「谷風」と「山風」があります。日中、太陽の光で地面が暖められると、軽くなった空気が斜面に沿って上へと移動します。これが「谷風」です。これとは逆に、夜になって冷えた空気は重くなり、斜面に沿って下ります。これが「山風」です。谷風や山に向かって吹く風は地表の空気を上へと運びます。この空気が水蒸気を多く含んでいると上昇するにつれて冷やされて雲に変わり、雲が大きくなると雨が降ります。気温が高い夏の日中はとくに谷風が生まれやすく、湿度が高い空気が斜面に沿って上に運ばれることで雲ができやすくなります。