【連載企画】COCOHELI STORIES 「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。
Vol.9 ハードな山岳部から山遊びの世界に。タカオネの壽榮松さんとご家族。都内からのアクセスの良さから一年を通して多くの人が訪れる高尾山。その高尾山の麓にあるホテル“タカオネ”のマネージャーで、山遊びが大好きな壽榮松さんご一家の休日にお邪魔しました。
壽榮松さんと山との出会いは大学の時だそうです。「僕には勉強ができて見た目が良く、人と話すのも得意というとにかく優秀な兄がいます。高校生の時人見知りだった僕は兄に対しての劣等感が強く、とにかく何かで兄に勝ちたいと思っていました。そんな時兄が大学で登山をはじめたので、これなら勝てるかもしれないと思い、地元で有名な山岳部のある大学へ進学しました。」山岳部では国内の有名な山々に加えて、南米の山やニュージーランドの山へ行かれたそうです。登山研修にも参加して、日本人初のピオレドールを受賞した天野和明さん(ココヘリ安全登山学校の講師でもあります。)に教えてもらったこともあるそうです。とにかく学生時代は登山ばかりしていたそうです。「何かで兄に勝ちたいという理由で入部した山岳部でしたが、登山、雪山登山、クライミングとあらゆる山の活動を国内外でしていくうちにどんどん山に夢中になりました。そうして一年たった頃には兄に勝ちたいと思っていたことはすっかり忘れていました(笑)」と、人懐っこい笑顔で話してくださいました。
壽榮松さんは現在“タカオネ”のマネージャーという立場で山に携わるお仕事をなさっています。高尾山に訪れ、登山に出掛ける方を始め、タカオネでの焚火体験などアウトドアを楽しむ多くのお客様を迎えていらっしゃいます。そんな立場からアウトドアでの安全対策について話してくださいました。「僕は、登山・沢登り・トレラン、冬はバックカントリースキーにも行きます。今でもあらゆる山遊びをやっていますが、気を付けなくてはいけないのが、毎週山へ行っていたバリバリの山岳部の頃とはスキルと体力が違う事です。今は山に行く機会が減りましたから、現在のスキルと体力に合った山遊びをしています。もちろん“ココヘリ”を携行して!また、山に向かう時は山岳部の先輩からみっちり教え込まれた「登山計画書」をまず作ります。計画書を作りながら、安全対策に問題がないかを細かく検証していきます。」ココヘリが開催している安全登山学校でも「登山計画書を作ることでその登山の50%は成功したといえる」と講師の近藤謙司氏が仰っていました。それだけ大切な「登山計画書」、登山の基礎の基礎が当たり前になるまで叩き込まれ、身に着つけることができる山岳部は素晴らしいですね。
ココヘリについても伺いました。「行く前の準備も楽しいし、行っても楽しめる。山遊びは二回楽しめます。僕は山にいるときは遊ぶことに夢中ですが、夢中で遊んでいるときもココヘリを持っていることが心の安定につながっています。油断をしているというわけではなく、ココヘリのおかげで、安心感があって、より山遊びに集中できるようになったと思います。」と少年のように語ってくださる壽榮松さん。山遊びの準備をするのが大好きなのだ、とお話しなさっているとすかさず「普段は面倒くさがり屋なのに、山の準備のときは“用意周到”なんです。山以外の時もそうだといいのに」と奥様から突っ込みが(笑)。
一方奥様は、壽榮松さんが山へ出かける際には、「いってらっしゃい」と送り出し、のんびりお嬢さんと家で待っていらっしゃるそうです。「彼は買ったばかりのiPhoneを山でなくしてきたりしたことがあって、なぜなくなっちゃうのだろう?一体山でどんなことをやっているのだろう?と心配になりました。以前にロッククライミングしているときの写真を見せてもらったのですが、風景がきれいとかではなく、こんな危険そうなところを登っているのかと怖くなりました。」と奥様。「その時には“こんなことやっているの⁈”って、すごく怒られました。僕は綺麗な景色を見たかっただけなんですけどね。」と申し訳なさそうに話す壽榮松さん。
独身の時は、冒険をとにかく楽しんでいたそうですが、今はバックカントリースキーに出かけてすごい斜面を見たときにも「気持ちよさそうで面白そうだな、でもここで死ぬよりは安全に行こう」と考えるようになったそうで、やはり家族を持ったことで心構えに変化が出てきたそうです。
「ココヘリは居場所が分かるというものですよね。そういったものがあると安心です。携帯の電波が届かないところに行くのは心配ですが、何かあったときにココヘリがあると思うと心強いです。」と奥様がおっしゃっていました。山をとことん楽しんでいる壽榮松さんとご家族を安心でつないでいるのは「ココヘリ」でした。
「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。
#ココヘリ