【連載企画】COCOHELI STORIES 「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。
vol. 1 「登山靴職人」山田さん
第1回にご紹介するココヘリ会員さんは、都内の登山用品店で「登山靴職人」として働いている山田さん。幼少期は、ボーイスカウトの指導者である祖父からサバイバル術を学び、山をフィールドに多くの冒険をして育ちました。大人になり、気晴らしに出かけたツーリング先でふと目にした「登山口」がきっかけで再び登山をするように。山から見た街の景色は小さく、悩みを抱えていた心が軽くなったその経験が転機となり、山に向かう人々を支える仕事に就きました。今は、登山靴を通して山に向かう人々の足元を支えています。そんな「登山靴職人」山田さんのご自宅にお邪魔しました。
ご自宅のリビングには、なんとクライミングの壁がありました。しかもこれは山田さんの手作りなのだとか。さすが職人、何でも作れるのですねと感心していたら、若干5歳の息子さんが、慣れた手つきでカラビナを操作して、安全確保しつつするすると登ってみせてくれました。すごすぎます!!活発なお二人に付き合う奥様大変ですねと尋ねると、「実は彼女が、一番アウトドア好きなのです。」と山田さん。「たまにソロ登山もしますが、今は家族3人で山に行くことが多く、みんなで登山やクライミングを楽しんでいます。親のエゴで山へ連れていっているので、彼を守る術はすべて教えておきたいと思っています。また、以前救助にかかわった経験から、最低限の救助をできる装備をもち、天候など十分に配慮しながら安全登山を心がけています。」
そんな山田さんですが、独身時代は、「山で死んでもいいや」と思っていたそうです。山と孤独を愛する、山男あるあるですね。実はココヘリを知った当初も、「1人になりたくて山へ行くのに、何かと繋がっているようでなんだか嫌だな。」と感じていたとのこと。そんな山田さんが「ココヘリ」を持つきっかけとなったのは、やはり、愛する家族ができたこと。「結婚し子供ができたことで、遭難したら家族だけでなく、救助隊員さんやガイドさんなど多くの人に迷惑がかかる。そう考えるようになってココヘリに入会しました。僕のように家族ができたことがきっかけに入会する人もいれば、ひやりとした経験や小さな怪我など、きっかけはそれぞれだと思います。多くの人がココヘリを知ってくれるといいですね。もしものとき、ココヘリさん頼りにしています。見つけてくださいね。」
そう話してくださった山田ファミリーのリビングの本棚には、「ココヘリ遭難対策窓口の電話番号を記したスリーブ」が。それを見て、嬉しい気持ちと共に身が引き締まりました。
「いってきます」と「おかえりなさい」の間に。ココヘリ。
※ココヘリでは、会員様の「山にまつわるストーリー」についてSNSでも配信中です。